死ぬまでにやりたいことリスト:映画「最高の人生の見つけ方」を観て   June 2008
最高の人生の見つけ方 僕は、あまり映画は観ないのですが、テーマについて聞いて興味を持ったので、「最高の人生の見つけ方」という映画を観ました。 映画のタイトルは、意味がわかりづらいですが、原題は「The Bucket List」で直訳すれば「棺おけリスト」になります。要するに、「死ぬまでにやりたいことリスト」というわけです。

このテーマについて聞いたとき、僕がずっと抱くテーマである「死と人生」について思うところがあり、観たというわけです。

映画のあらすじを書いておくと、自動車整備工のカーター(モーガン・フリーマン)と大金持ちのエドワード(ジャック・ニコルソン)が入院先の病院で相部屋となりました。 お互いの余命が残り少ないのを知った彼らは、人生でやり残したことをまっとうしようと意気投合。カーターが死ぬ前にやっておきたいことをメモした「棺おけリスト」を見つけたエドワードがリストの実行を持ちかけ、2人は周囲の反対を押し切って冒険の旅に出る、というものです。

僕が常に抱いている疑問は、「何のために生きるのか?」「人生で、何をするのか?」ということです。もちろん、この映画から、その答えが得られるわけではありませんが、思考の参考にはなりました。

ほとんどの人は、気にならないシーンだと思うのですが、序盤のほうに、主人公二人がそれぞれ病院服で動き、ベッドに横たわり、嘔吐するシーンがありました。それは、ストーリー的にも重要性は低く、映画上は彼らの状況を演出するシーンでしかありません。しかし、僕はそのシーンを見て、祖父たちを思い出し、涙しました。

僕の父は、僕が九歳くらいのとき、自宅で突然、死にました。そして、僕の祖父たち(父方と母方)は、それぞれ成人した後に亡くなりました。

彼らは、父とは違い、突然の死ではなく、静かで消毒薬のにおいのする冷たい病院で、一人は数年間、もうひとりは数ヶ月間をベッドの上ですごしてから、亡くなりました。

そのときの彼らの姿と映画館の大きなスクリーンに映る主人公たちが苦しむシーンが重なったのです。日本とアメリカと、国は異なるのですが、病人が着る服は似ているらしく、僕が見た、弱りきった祖父たちとそっくりだったのです。

祖父たちは、どちらも細身の体をしていたのですが、病に伏せるようになると、信じられないくらい、げっそりと痩せ、まったく顔が変わっていました。 また、おそらく、絶え間ない痛みに苦しんでいたのだと思います。そして、僕は、病院服を着てベッドに横たわり、やつれきった彼らの姿がスクリーンに映る主人公たちと重ねて見えたのです。

父親の死が何を意味しているのかさえわからずにいた、あのころ、僕は、人は死ぬものだ、ということを自覚しました。 成人した後、裕福な起業家だった祖父が亡くなって、僕は金持ちが死んだ後に何が起こるのかを学び、「何のために生きるのか?」という疑問を強く抱くようになりました。

それから数年経って、もうひとりの祖父が亡くなったとき、僕は祖父の死に顔を見て、将来の自分の姿を見ているのだと自覚しました。

映画の主人公たちは、死ぬ前に「棺おけリスト」というかたちで、死ぬまでにやりたいことを書き、実行しました。

さいわいなことに、おそらく、僕の時間は、主人公たちのような末期ガン患者たちほどは、短くはないでしょう。 しかし、人生は長いようで、短い。そう遠くない、いつの日か、僕も父のように突然、死ぬかもしれないし、祖父たちのように年をとり、衰弱し、死ぬのかもしれません。 どちらにしろ、死に行くわけです。それならば、今の僕も、「棺おけリスト」を書くべきだと思うのです。

だから、後悔しない人生を送りたいので、「死ぬまでにやりたいことリスト」を徐々にでも書き上げていこうと思いました。
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